2026.09.25
群馬の台風対策は新築でどう備える?建築士が教える選び方のポイント
「群馬って台風被害は少ないと聞いていたのに、最近はニュースでよく見るようになって心配…」そんな声を、移住希望者の方からよくお聞きします。確かに群馬県は内陸部にあるため、沿岸部と比べると台風の直撃は少ない地域です。しかし近年は気候変動の影響で、これまで「安全」とされてきた地域でも予想外の被害が起きています。
私は建築士・FP・宅建士として、群馬県で1,000件以上の不動産取引に携わってきました。その中で実際に台風被害を受けた物件も数多く見てきましたが、同じ地域でも「被害が大きかった家」と「ほとんど無傷だった家」には明確な違いがあります。特に新築を購入される際には、最初の設計段階から台風対策を意識することで、長期的な安心と修繕コストの削減につながるのです。
今回は、群馬県で新築一戸建てを検討している方に向けて、台風対策に強い家の選び方を、現場経験をもとに具体的にお伝えします。
群馬県における台風リスクの実態
群馬県は山に囲まれた内陸県のため、台風が直撃することは比較的少ない地域です。しかし2019年の台風19号では、県内でも大きな被害が発生しました。特に利根川や烏川沿いの地域では浸水被害が、山間部では土砂災害が相次ぎました。
気象庁のデータによると、群馬県に接近する台風は年平均で2〜3個程度ですが、近年は勢力を保ったまま内陸部まで進む傾向が強まっています。高崎市や前橋市などの平野部でも、強風による屋根瓦の飛散や雨樋の破損といった被害が報告されています。
私が実際に調査した物件では、台風通過後に屋根材の一部が剥がれて修繕費が50万円以上かかったケースもありました。こうした被害は、新築時の仕様選びで大幅に減らすことができます。群馬だからこそ油断せず、しっかりとした対策を講じることが重要なのです。
台風に強い立地の選び方
新築一戸建てを選ぶ際、まず重要なのが立地です。どんなに建物が頑丈でも、周辺環境によって被害のリスクは大きく変わります。
まず確認すべきはハザードマップです。群馬県や各市町村が公開しているハザードマップで、浸水想定区域や土砂災害警戒区域を必ずチェックしてください。特に利根川・烏川・碓氷川などの河川沿いは、大雨時の浸水リスクがあります。実際に2019年の台風19号では、想定浸水深が3メートル以上とされていた地域で実際に床上浸水が発生しました。
また、周辺に高い建物や樹木がある場合も注意が必要です。強風で倒れた木が家屋を直撃したり、飛来物で窓ガラスが割れたりするリスクがあります。私が担当した物件では、隣地の老木が台風で倒れ、カーポートが破損したケースもありました。
逆に、周囲を適度に建物に囲まれた住宅地は風の影響を受けにくく、比較的安全です。新興住宅地を選ぶ際は、造成の状況や排水設備もしっかり確認することをお勧めします。
屋根と外壁の仕様で差がつく耐風性能
台風対策で最も重要なのが屋根の仕様です。新築の建売住宅でも、採用されている屋根材や施工方法によって耐風性能は大きく異なります。
一般的な新築建売では、スレート屋根かガルバリウム鋼板が多く採用されています。スレート屋根は軽量でコストも抑えられますが、強風時には割れや飛散のリスクがあります。一方、ガルバリウム鋼板は金属製で軽く、耐久性も高いため台風対策には有効です。さらに重要なのが固定方法で、ビス留め工法で確実に固定されているかを確認してください。
外壁についても、窯業系サイディングが一般的ですが、継ぎ目のシーリング処理が不十分だと、強風時に雨水が浸入して内部構造を傷める原因になります。建築のプロとして現場を見る際は、シーリングの厚みや施工の丁寧さを必ずチェックします。
飯田産業や一建設などの大手ビルダーの物件は、一定の品質基準が保たれていますが、それでも個別の施工状況は異なります。購入前に専門家による建物チェックを受けることで、見えない部分の施工品質を確認できます。
窓とシャッターの重要性
台風被害で意外と多いのが、窓ガラスの破損です。飛来物が窓を直撃すると、ガラスが割れて室内に雨風が吹き込み、家具や家電が被害を受けるだけでなく、室内の気圧変化で屋根が吹き飛ぶリスクもあります。
新築を選ぶ際は、シャッター付きの窓が標準装備されているかを確認してください。特に1階の掃き出し窓や、風当たりの強い方角の窓にはシャッターがあると安心です。シャッターがない窓でも、後付けで防災シャッターや強化ガラスへの交換は可能ですが、新築時に標準で付いていれば追加コストを抑えられます。
また、最近の新築ではペアガラスが標準的ですが、防犯・防災性能を高めた防災合わせガラスを採用している物件もあります。これは2枚のガラスの間に特殊フィルムを挟んだもので、飛来物が当たっても貫通しにくい構造です。
窓の数や大きさも重要です。開放的な大きな窓は魅力的ですが、台風時のリスクも高まります。採光と防災のバランスを考えた設計になっているか、購入前に確認しましょう。
排水設備と雨樋のチェックポイント
台風対策というと風害に目が行きがちですが、大雨による浸水被害も深刻です。特に群馬県では、短時間に集中的に降る豪雨が増えており、排水能力が追いつかないケースが増えています。
新築物件を見る際は、敷地の排水計画を必ず確認してください。敷地が道路より低い場合や、周囲からの雨水が流れ込みやすい地形の場合、適切な排水設備がないと浸水リスクが高まります。側溝や雨水桝の位置、配管の太さなども重要なチェックポイントです。
また、建物の雨樋も重要な役割を果たします。雨樋が詰まっていたり、固定が不十分だったりすると、台風時に破損して外壁に雨水が直接当たり、劣化を早める原因になります。新築でも施工不良で雨樋の勾配が不適切なケースがあるため、専門家によるチェックが有効です。
私が過去に担当した物件では、引き渡し前の検査で雨樋の固定金具が不足していることを発見し、施工会社に是正してもらったケースもあります。こうした細かい部分こそ、建築の経験がある専門家の目が役立ちます。
火災保険と補償内容の確認も忘れずに
どんなに対策を講じても、自然災害のリスクをゼロにすることはできません。だからこそ、万が一の備えとして火災保険の風災補償をしっかり確認することが大切です。
一般的な火災保険には風災・雹災・雪災の補償が含まれており、台風による屋根や外壁の損害も補償対象になります。ただし、免責金額の設定によっては、少額の被害は自己負担になる場合があります。例えば免責金額が20万円の場合、修繕費が15万円なら保険金は出ません。
群馬県は雪害のリスクもあるため、風災だけでなく総合的な自然災害補償がある保険プランを選ぶことをお勧めします。保険料は年間で数千円から数万円の差がありますが、長期的な安心を考えれば適切な補償内容を選ぶべきです。
ゼロ円仲介では、FPの資格を持つ代表が、住宅ローンだけでなく火災保険の選び方もアドバイスしています。仲介手数料が無料になる分、保険や諸費用に予算を回すこともできます。
まとめ|台風対策は新築選びの段階から
群馬県は比較的台風被害が少ない地域ですが、近年の気候変動で油断はできません。新築一戸建てを購入する際は、立地選び、建物の仕様、そして保険まで、総合的な台風対策を考えることが重要です。
特に屋根や外壁の施工品質、窓のシャッター、排水設備といった部分は、入居後に改修するとコストがかかります。購入前にしっかり確認し、必要に応じて専門家のチェックを受けることで、長期的な安心と経済的なメリットが得られます。
私は元大手ハウスメーカーで200棟以上の注文住宅を手がけ、実際に「家を建てていた側」の経験があります。だからこそ、建売住宅でも見るべきポイントを熟知しており、購入者の立場に立った的確なアドバイスができます。群馬県で新築一戸建てをお探しなら、台風対策も含めた総合的な視点でサポートいたします。
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