2026.08.20
ペアローンのデメリット7選|注意点と対策を専門家が解説
「共働きだから、ペアローンで借入額を増やして希望の家を買いたい」そんなご相談をよくいただきます。実際、私が不動産取引をサポートしてきた中でも、30代の子育て世帯の約3割がペアローンを検討されています。確かに借入額を増やせるメリットは大きいのですが、同時に多くの方が見落としがちなデメリットも存在します。
ある30代のご夫婦は、ペアローンで4,500万円を借り入れて念願のマイホームを購入されました。しかし、出産を機に奥様が退職を希望された際、住宅ローンの支払いが家計を圧迫し、想定外の苦労をされることになりました。このように、将来のライフプランまで考えずにペアローンを組むと、後悔する可能性があります。
本記事では、建築士・FP・宅建士の資格を持ち、1,000件以上の不動産取引に携わってきた経験から、ペアローンの見落としがちなデメリットと具体的な対策をお伝えします。
ペアローンとは?基本の仕組みを理解する
ペアローンとは、夫婦それぞれが主債務者として住宅ローンを組む仕組みです。例えば、夫が3,000万円、妻が2,000万円のローンを組めば、合計で5,000万円の借入が可能になります。単独では購入できなかった物件にも手が届くため、都市部や群馬県内でも人気エリアの新築一戸建てを検討する際に選ばれることが多い方法です。
ペアローンと似た仕組みに「収入合算」がありますが、大きな違いがあります。収入合算の場合、主債務者は1人で、配偶者は連帯保証人や連帯債務者になります。一方ペアローンでは2人とも主債務者であり、それぞれが団体信用生命保険に加入し、住宅ローン控除も2人分受けられます。この点が大きなメリットですが、同時にデメリットの原因にもなります。
群馬県高崎市周辺で3,500万円前後の新築一戸建てを検討する場合、夫婦それぞれの年収が350万円程度あれば、ペアローンで購入できる可能性が高まります。しかし、メリットだけに目を向けて契約すると、後々大きな問題に直面することがあります。
デメリット1|離婚時の住宅ローン処理が複雑
ペアローン最大のデメリットは、離婚時の処理が非常に複雑になることです。私がサポートした案件でも、離婚を機にペアローンの処理で苦労されたご夫婦が複数いらっしゃいました。
通常の単独ローンなら、家を売却して残債を返済するか、どちらかが住み続けて返済を続けるか、比較的シンプルに決められます。しかしペアローンでは、2本のローン契約が走っているため、金融機関との再交渉が必要になります。片方が家を出ても、もう片方のローンの連帯保証人として責任が残り続けるケースもあります。
実際の事例では、夫3,000万円・妻2,000万円のペアローンで購入した家を離婚時に売却しようとしたところ、売却価格が4,200万円で残債の合計4,500万円を下回り、300万円の持ち出しが必要になったケースがありました。この不足分の負担割合を巡って、元夫婦間でトラブルになることも少なくありません。
デメリット2|片方が働けなくなった時のリスク
出産、育児、介護、病気など、人生には予期せぬ事態が起こります。ペアローンでは2人の収入を前提に借入額を設定しているため、片方の収入が途絶えると家計が一気に苦しくなります。
群馬県内のあるご家庭では、夫婦それぞれが月7万円ずつ、合計月14万円のローン返済を組んでいました。しかし妻の出産と育休取得により収入が半減し、妻の分の返済を夫の収入で賄うことになりました。結果として、月の返済負担率が25%から40%に跳ね上がり、生活に余裕がなくなってしまったのです。
団体信用生命保険は死亡や高度障害時にローンが免除されますが、育休や時短勤務による収入減には対応していません。ペアローンを組む際は、片方の収入だけでも返済できる範囲に借入額を抑えるか、十分な貯蓄を確保しておく必要があります。
デメリット3|諸費用が2倍近くかかる
ペアローンは2本の契約になるため、諸費用が単独ローンより割高になります。具体的には、契約書に貼る印紙代、金融機関の事務手数料、司法書士への報酬などが2人分必要です。
例えば夫3,000万円・妻2,000万円のペアローンの場合、印紙代は各1万円で合計2万円、事務手数料が借入額の2.2%なら夫66万円+妻44万円で合計110万円となります。単独で5,000万円借りた場合の事務手数料110万円とほぼ同額に見えますが、登記費用や保証料が別途かかるケースもあり、トータルでは10万円から30万円ほど多くなることがあります。
群馬県で仲介手数料無料の物件を選べば、この差額を少しでも抑えることができます。諸費用は現金で用意する必要があるため、初期費用の総額を事前にしっかり把握しておくことが大切です。
デメリット4|住宅ローン控除の上限に注意
ペアローンでは夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられるため、節税効果が高いと思われがちです。しかし、控除を最大限活用するには、それぞれに十分な所得税・住民税の納税額が必要です。
例えば年収350万円の方の場合、所得税と住民税を合わせた年間納税額は約20万円程度です。住宅ローン控除で年間最大21万円の控除枠があっても、実際に戻ってくるのは納めた税金の範囲内です。つまり、収入が少ない側は控除を使い切れず、ペアローンのメリットを十分に享受できない可能性があります。
専門家としてアドバイスする際は、夫婦それぞれの源泉徴収票を確認し、実際にどれだけ控除が受けられるかをシミュレーションすることをお伝えしています。場合によっては、収入合算やペアローン以外の選択肢が適していることもあります。
デメリット5|売却時の意思決定が複雑になる
ペアローンで購入した家は夫婦それぞれが共有名義になります。持分割合は通常、出資額に応じて決まりますが、この共有名義が将来の売却時に問題を引き起こすことがあります。
家を売却する際は、共有者全員の同意が必要です。夫婦関係が良好なうちは問題ありませんが、離婚協議中や別居中の場合、一方が売却に同意せず手続きが進まないケースがあります。私が経験した事例では、夫は転勤で売却を希望していたものの、妻が子どもの学区を変えたくないと反対し、売却まで1年以上かかったこともありました。
また、相続時にも共有名義は複雑さを増します。配偶者が亡くなった場合、その持分は相続財産となり、子どもや親族との共有状態になる可能性もあります。将来の選択肢を広げるためにも、ペアローンを組む際は長期的な視点を持つことが重要です。
デメリット6|金利タイプの選択が難しくなる
ペアローンでは夫婦それぞれが別の金利タイプを選べる柔軟性がありますが、これがかえって判断を難しくすることもあります。例えば、夫が固定金利、妻が変動金利を選んだ場合、金利上昇時に返済額のバランスが崩れ、家計管理が複雑になります。
群馬県で新築一戸建てを購入する30代のご夫婦の多くは、変動金利で低い返済額を重視される傾向があります。しかし今後の金利上昇リスクを考えると、片方は固定金利にするなどのリスク分散も検討すべきです。ただし、2つの金利タイプを管理するには金融知識と家計管理能力が求められます。
代表がFPとしてサポートする際は、お客様の収入バランスや将来のライフプランを伺いながら、無理のない返済計画をご提案しています。金利タイプの選択は、一度決めたら簡単には変更できないため、慎重な判断が必要です。
まとめ|ペアローンは慎重に検討を
ペアローンは借入額を増やせる魅力的な選択肢ですが、離婚リスク、片方の収入減、諸費用の増加、住宅ローン控除の限界、売却時の複雑さ、金利選択の難しさなど、多くのデメリットが存在します。特に群馬県で新築一戸建てを検討される子育て世帯の皆さんには、将来のライフプランまで見据えた慎重な判断をしていただきたいと思います。
私がこれまで1,000件以上の取引をサポートしてきた経験では、無理のない返済額に抑えることが最も重要です。ペアローンを組むなら、片方の収入だけでも返済できる範囲にする、十分な貯蓄を確保する、将来の収入変化を想定するといった対策が欠かせません。
建築のプロとして、また資金計画の専門家として、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なローン選択をサポートいたします。ペアローンが本当に適しているか、他の選択肢はないか、一緒に考えていきましょう。
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