2026.05.09

建売住宅の耐震等級は?地震に強い家の見分け方を建築士が解説

建売住宅の耐震性能は本当に大丈夫なのか?

「建売住宅は地震に弱いのでは?」という不安を持つ方は少なくありません。特に地震大国である日本では、耐震性能は住宅選びの最重要ポイントの一つです。

建築士として200棟以上の住宅に携わった経験から申し上げると、現在の大手パワービルダーの建売住宅の耐震性能は非常に高いレベルにあります。この記事では、耐震等級の仕組みから、建売住宅の実際の耐震性能、地震に強い家の見分け方まで、専門的な視点でわかりやすく解説します。

耐震等級とは?1・2・3の違い

耐震等級は、住宅品質確保促進法(品確法)に基づく住宅性能表示制度で定められた、建物の地震に対する強さを示す等級です。等級は1から3まであり、数字が大きいほど耐震性能が高くなります。

耐震等級1|建築基準法の最低ライン

建築基準法が定める最低限の耐震性能です。「数百年に一度の大地震(震度6強〜7)で倒壊・崩壊しない」ことを基準としています。2000年以降に建てられたすべての新築住宅は、最低でもこの等級1をクリアしています。

「震度6強で倒壊しない」という表現ですが、これは「損傷しない」という意味ではありません。大地震の後に補修が必要になる可能性はあります。ただし、人命を守るという意味では十分な性能です。

耐震等級2|等級1の1.25倍

等級1の1.25倍の地震力に耐えられる性能です。学校や病院などの公共施設はこの等級が求められます。長期優良住宅の認定を受けるためには、耐震等級2以上が必要です。

耐震等級3|等級1の1.5倍(最高ランク)

等級1の1.5倍の地震力に耐えられる最高ランクの性能です。消防署や警察署など、地震後も活動拠点として機能し続ける必要がある施設と同等レベルです。2016年の熊本地震では、耐震等級3の住宅は大きな損傷なく建っていたことが報告されています。

飯田グループ各社の耐震性能

飯田産業|IDS工法で高い耐震性

飯田産業が独自に開発した「IDS工法」は、オリジナルの耐力壁パネルを使用した木造軸組工法です。従来の在来工法に比べて接合部の強度が高く、建築士の視点から見ても非常に優れた工法です。多くの物件で耐震等級3相当の性能を実現しています。

一建設|バランスの取れた耐震設計

一建設のリーブルガーデンは、構造用面材を使った耐力壁と金物工法を組み合わせた設計が特徴です。全棟で地盤調査を実施し、必要に応じて地盤改良工事を行った上で施工しています。耐震性能と設備のバランスが良いメーカーです。

東栄住宅|性能評価取得率が高い

東栄住宅のブルーミングガーデンは、住宅性能評価書の取得率が飯田グループの中でも特に高いメーカーです。第三者機関による客観的な評価を受けているため、耐震性能を数値で確認できる安心感があります。

地震に強い建売住宅を見分ける5つのポイント

①住宅性能評価書の有無を確認する

住宅性能評価書を取得している物件であれば、耐震等級が明記されています。取得していない物件でも、設計図書から耐震等級相当の性能を確認できる場合がありますので、仲介会社を通じて売主に確認しましょう。

②地盤調査報告書を確認する

いくら建物が頑丈でも、地盤が弱ければ地震時に不同沈下(建物が傾く現象)が起きる可能性があります。地盤調査報告書で地盤の強さを確認し、地盤改良工事が行われた場合はその内容と報告書を確認してください。

③基礎の種類を確認する

ベタ基礎は建物全体を面で支えるため、地震時の安定性が高いです。群馬県の建売住宅はほぼすべてベタ基礎を採用していますが、念のため確認しておきましょう。

④制震・免震装置の有無

一部の建売住宅には、地震の揺れを吸収する制震装置が組み込まれている場合があります。制震装置がある物件は、耐震等級に加えてさらに地震に強い設計になっています。

⑤間取りの壁バランスを見る

建築士の視点からは、間取りの壁のバランスも重要です。1階に大きな開口部(大開口のリビングなど)がある場合、そこが構造的な弱点になることがあります。1階と2階で壁の位置が揃っている(直下率が高い)間取りの方が、地震に対して有利です。

耐震等級3のメリットは地震保険料の割引

耐震等級3の住宅は、地震保険料が50%割引になります。等級2なら30%、等級1なら10%の割引です。年間数万円の保険料が半額になると考えると、35年間の長期で見れば数十万円〜百万円以上の差になることもあります。

住宅ローンの金利面でも、フラット35Sを利用する場合は耐震等級2以上で金利引き下げの優遇を受けられます。耐震等級は安全面だけでなく、経済面でもメリットがあるのです。

まとめ

現在の大手パワービルダーの建売住宅は、耐震等級3相当の性能を持つ物件が多く、地震に対する安全性は十分に確保されています。住宅性能評価書、地盤調査報告書、基礎の種類を確認することで、地震に強い家を見極めることができます。

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