2026.08.15

建売住宅の耐震等級を確認する5つの方法|元ハウスメーカー営業が教える見極め方

「この建売住宅、地震が来ても大丈夫なのかな…」そんな不安を抱えながら、モデルハウスを見学している方は少なくありません。私が元ハウスメーカーの営業として200棟以上の新築を手がけてきた中で、購入前に必ず確認すべきだったのに見落としてしまった、という後悔の声を何度も聞いてきました。特に群馬県は活断層も複数あり、地震への備えは他人事ではありません。

建売住宅の耐震性能を示す「耐震等級」は、実は購入前にしっかり確認できるものです。でも、どこを見ればいいのか、どんな書類をチェックすればいいのか、初めての家探しでは分からないことだらけですよね。今回は建築士として、そして実際に家を建てていた側の立場から、建売住宅の耐震等級を確認する具体的な方法をお伝えします。

耐震等級とは?まず知っておきたい基礎知識

耐震等級は、建物がどれくらいの地震に耐えられるかを示す指標です。等級1から等級3までの3段階があり、数字が大きいほど耐震性能が高くなります。等級1は建築基準法の最低基準で、震度6強から7程度の地震で倒壊しないレベルです。等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の強度を持ちます。

実際に東日本大震災や熊本地震のデータを見ると、等級3の住宅は大きな損傷がほとんどなかったという報告があります。一方で等級1でも法律上は問題ありませんが、大地震後も住み続けられるかという視点では、やはり等級2以上が安心です。群馬県内でも等級3を標準仕様にしている建売メーカーが増えてきています。

確認方法1|住宅性能評価書をチェックする

最も確実な確認方法は、住宅性能評価書を見せてもらうことです。これは第三者機関が建物の性能を評価した公的な書類で、耐震等級だけでなく、省エネ性能や劣化対策なども記載されています。この書類があれば、耐震等級の項目に明確に「等級2」「等級3」といった表示があります。

ただし注意点があります。住宅性能評価書には「設計住宅性能評価書」と「建設住宅性能評価書」の2種類があり、建設住宅性能評価書まで取得しているかが重要です。設計段階だけでなく、実際の施工時にも検査を受けて合格した証明になるからです。私の経験では、飯田産業や一建設などの大手建売メーカーは、この建設住宅性能評価まで取得している物件が多く見られます。

確認方法2|構造計算書の有無を確認する

2階建ての木造住宅は法律上、構造計算が義務ではありません。そのため多くの建売住宅は「壁量計算」という簡易的な方法で建てられています。しかし耐震等級2以上を取得するには構造計算が必要になります。つまり、構造計算書があるということは、それだけ耐震性にこだわっている証拠なのです。

販売担当者に「構造計算はしていますか?」と聞いてみてください。もし「はい」という返答なら、その根拠となる書類を見せてもらいましょう。専門家でなくても、表紙に「許容応力度計算」と書かれていれば、しっかりとした構造計算が行われている証拠です。この書類は数百ページになることもありますが、存在するかどうかが大切なポイントです。

確認方法3|パンフレットや広告の表記を読み解く

物件のチラシやパンフレットに「耐震等級3相当」「耐震等級3レベル」といった表記を見かけることがあります。ここで注意したいのは「相当」や「レベル」という言葉です。これらは「性能的には同等だけれど、正式な認定は受けていない」という意味になります。

悪いわけではありませんが、第三者のチェックを受けていないため、設計ミスや施工不良があっても発見されにくいというリスクがあります。一方で「耐震等級3取得」と明記されている場合は、住宅性能評価を正式に受けている可能性が高いです。群馬県内の新築建売でも、この違いで価格が50万円から100万円ほど変わることもあります。

確認方法4|建築確認申請書類で基礎を確認する

耐震等級を直接示すものではありませんが、建築確認申請の図面からも耐震性のヒントが得られます。特に基礎伏図という図面を見せてもらうと、基礎の配筋や厚みが分かります。等級3を目指す住宅は、一般的にベタ基礎で立ち上がり幅120mm以上、鉄筋の間隔も密になっています。

私が建築士として現場を見てきた経験では、基礎の仕様は建物の耐震性を左右する最も重要な要素の一つです。販売担当者に「基礎の図面を見せてください」とお願いしても、嫌な顔をされることはまずありません。むしろ、こうした質問をすることで「この人はちゃんと勉強している」と思われ、誠実な対応をしてもらえることが多いです。

確認方法5|販売会社の標準仕様を事前にリサーチ

建売住宅を手がけるメーカーには、それぞれ標準仕様があります。例えば飯田グループホールディングス傘下の各社や東栄住宅などは、近年耐震等級3を標準化している物件が増えています。購入検討する前に、そのメーカーのホームページや過去の物件情報を調べておくと、おおよその傾向が分かります。

また、現地で他の購入検討者や近隣住民に話を聞くのも有効です。「このメーカーの家はしっかりしている」という評判があれば、それは一つの判断材料になります。群馬県内でも地域によって建売メーカーの傾向が異なりますので、地元に詳しい専門家に相談するのも良い方法です。

まとめ|確認は購入前の当然の権利、遠慮なく聞きましょう

建売住宅の耐震等級を確認する方法は、住宅性能評価書のチェック、構造計算書の有無、広告表記の読み解き、建築確認図面の確認、そしてメーカーの標準仕様リサーチの5つです。どれか一つだけでなく、複数の方法を組み合わせて総合的に判断することが大切です。

私が注文住宅の営業をしていた頃、お客様から「こんなこと聞いていいのかな」と遠慮される場面を何度も見てきました。でも、数千万円の買い物です。確認するのは当然の権利であり、むしろ質問しない方が後悔のもとになります。販売担当者が書類を渋ったり、曖昧な返答しかしない場合は、その物件は避けた方が無難かもしれません。

群馬県は比較的地価が安く、首都圏からの移住先としても人気が高まっています。だからこそ、安心して長く住める家を選ぶために、耐震性能はしっかり確認してください。専門家の目でチェックしながら物件を選びたい方は、建築士など経験豊富なプロに相談することで、見落としを防ぐことができます。

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